支部長挨拶
一般社団法人日本音楽療法学会 東北支部
支部長 髙山 仁
当学会は2001年に創設され、本部とともに全国9支部が実践学術研究団体として組織されました。その中で、東北支部は現在約200名の会員にて活動しております。
音楽療法の歴史は紀元前から現代まで、そのあり様はさまざまです。旧約聖書をひも解くと「ダビデがサウル王の病いをたて琴で癒した」記述があり、紀元後にはキリスト教の布教、また音楽の発展とともに連綿と続き、20世紀の二つの大戦では、傷ついた市民や兵士の治療として音楽を用いた事実がありました。さらに2020年からのコロナ感染症パンデミックにおいては、音楽が人々を励ましたエピソードなど、人の営みの多くの場面で「人間と音楽」の関わりが報告されています。人類の歴史の中で私たちは、音楽を一度も手放したことはなく、ひとり悩み苦しむ時、ともに喜び合う時、私たちのそばにはいつも音楽はあります。
このような「音楽」ですが、私が27年前に音楽療法の仕事を始めた頃、多くの音楽療法研修会で「音楽で病気が治るの?」と、よく質問を受けました。その時、どのようにお答えしたのかは覚えておりませんが、今なら、少しは適切な返答ができるかなと思います。実に音楽は人間にとって、さまざまな顔をもち、私たちと向き合ってくれているのです。
当学会に課せられたミッションは、学会の音楽療法定義にも述べられている「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に用いること」とし、医療、福祉、健康、教育の領域において音楽療法を積極的に展開することにより、人々の健康の維持・促進など広く社会に貢献することを目的・使命としております。
具体的には、学術大会や研修講習会の開催、音楽療法士の質の向上、学会誌の発刊、国際交流事業、国家資格化への働きかけなどを行い、東北支部においても、音楽療法の実践研究を深め、年1回の支部学術大会、随時開催される研修講習会、支部通信の発行等の事業を進めてまいります。
画一的な価値観に支配されそうな現代、自然の豊かさ溢れる東北から、音楽という「大切なギフト」をさまざまな視点から深め、音楽療法という領域を推進してまいりたいと思います。どうぞ、ご期待ください。そして、サポーターの一人に加わっていただけたら幸いです。
2023年4月より4年間、下記の新役員にて励みたいと思います、皆様からのご理解ご支援、何卒、よろしくお願い申し上げます。
支部役員
支部長 髙山 仁
事務局長 佐藤 香里
青森県代表 馬場 久美子
岩手県代表 佐々木 良恵
秋田県代表 日沼 郁子
宮城県代表 向井田 のぞみ
山形県代表 二瓶 明美
福島県代表 佐藤 久美
登録団体
宮城音楽療法研究会 miyagimtgroup@yahoo.co.jp
山形音楽療法研究会 viljaham@gmail.com
いわて音楽療法の会 iwork_member@yahoo.co.jp
NPO法人青森音楽療法研究会 mt_aomori@yahoo.co.jp