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大会長講演

“well-being”と“ill-being”のハザマを音楽と共に「生きる」こと
 

音楽療法というセラピーは「何のために」行うのか。その答えを日本音楽療法学会の定義にて確認すると、「心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容にむけて・・・」とあり、対象者が「より健康に、より豊かに」生きるために音楽を用いて支援をすることであろう。そのためには、まずヒトが健康であることとはどういうことかを理解する必要がある。近年、ヒトが健康に生きることを目指し、世界保健機関(WHO)や国際会議、さらに企業までもが“well-being”という言葉を用いている。人間の健康と幸福(よい状態)ということであり、M.セリグマンはその科学的研究成果からPERMAモデルを考案し、他にEd.ディーナー『人生満足度尺度』やJ.バトラー&M.カーンによる『PERMAモデルに基づく心理検査』などスケールもある。しかし、いずれも当事者本人が判定する「満足度チェック」のデー夕分析に基づいている。つまり、重要なことは本人が「何」をもって「健康・幸福」と感じるかであろう。

 本講演では、“well-being”と“ill-being ”(病的状態)のハザマを考え、そのハザマを対象者とともに「音楽」を通して共有共感することの意味を考えたい。

〈大会長講演〉

髙山 仁氏 

日本音楽療法学会東北支部長

仙台市生まれ、1975年国立音楽大学声楽学科を卒業、同年(株)河合楽器製作所に入社。同社音楽教育事業部仙台支部にて、専門講師を経て指導主事となる。1997年に退社し、たかやま音楽療法研究所を設立。その後、2002年に宮城教育大学大学院教育研究科障害児教育専攻を修了(教育学修士)。現在は、たかやま音楽療法研究所を主宰、主に障害児者の音楽療法、特別支援教育における療育的音楽活動を実践。また、2020年より訪問医療の一環として「医療的ケア児者」の訪問音楽療法を実施。2023年4月より当学会東北支部長の任にある。

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